見えない劣化シリーズ【タイル編】タイルが割れていなくても危険?“はらみ”を見逃さないチェックポイント

タイル張りの外壁は、高級感があり、耐久性にも優れている。多くの方がそうしたイメージをお持ちではないでしょうか。
確かにタイルは、塗装仕上げに比べて劣化しにくく、見た目も長く保ちやすい外装材です。
しかし一方で、「割れていないから大丈夫」「見た目がきれいだから安心」と油断されやすい外壁でもあります。
実は、タイル外壁には割れる前に現れる“危険なサイン”があります。それが今回のテーマである 「はらみ」 です。
このコラムでは、
- はらみとは何か
- なぜ起きるのか
- 放置するとどうなるのか
- どうチェックし、どう対処すべきか
を解説していきます。
「はらみ」とは何か?割れとの違い
● はらみとは?
「はらみ」とは、タイルが下地(モルタルやコンクリート)から浮き、表面がわずかに膨らんでいる状態を指します。
この段階では、
- タイル自体は割れていない
- 表面上は大きな異常が見えない
ということが多く、非常に気づきにくい劣化です。
● 割れとの決定的な違い
- 割れ:すでに破損が表面化している状態
- はらみ:破損の「一歩手前」、内部で異変が起きている状態
はらみを放置すると、
→ 浮きが進行
→ 接着力が失われ
→ ある日突然タイルが剥がれ落ちる
というケースも少なくありません。
なぜタイルは“はらむ”のか?主な原因
タイルのはらみは、決して珍しい現象ではありません。
築年数が10年を超えた建物であれば、どの建物でも起こり得る劣化です。
主な原因は以下の通りです。
● 経年劣化
長年の風雨・紫外線の影響により、下地モルタルや接着層が徐々に劣化していきます。
● 雨水の侵入
目地やシーリングの劣化部分から雨水が侵入し、下地が水分を含むことで接着力が低下します。
● 温度変化による膨張・収縮
タイルや下地は、夏と冬で膨張・収縮を繰り返します。
この動きに耐えきれなくなると、浮きが生じます。
● 施工当時の条件
施工時の下地処理不足や、環境条件の影響が、年月を経て「はらみ」として現れることもあります。
重要なのは、「オーナーの管理が悪いから起きる」という話ではないという点です。
はらみを放置するとどうなる?剥落事故のリスク
はらみを放置した場合の最大のリスクは、タイルの剥落事故です。
● 剥落が起きると…
- 通行人や入居者へのケガのリスク
- 車両や建物設備への損傷
- オーナー責任を問われる可能性
特にマンションや賃貸物件では、「事前に点検・対応していたかどうか」が事故後に問われるケースもあります。割れてから対応するのでは遅い。これがタイル外壁の怖さです。
自分でできる簡単チェックポイント
専門的な調査は業者に任せる必要がありますが、オーナー様ご自身でも「気づく」ためのポイントはあります。
● 目視でのチェック
- タイル表面が不自然に波打って見える
- 周囲と比べて微妙に膨らんでいる箇所がある
● 音の違い
- 壁を軽く叩いたとき
- 「コンコン」と詰まった音
- 「ボコボコ」「空洞音」
音が違う場合、浮きの可能性があります。
● 起きやすい場所
- バルコニー側外壁
- 外階段まわり
- 日当たりの良い南面
- 雨が当たりやすい箇所
※高所や無理な打診は危険です。異変を感じたら、専門業者へ相談しましょう。
タイルは全部張り替えなくていい?補修の考え方

「タイルが浮いている」と聞くと、全面張り替え=大工事・高額 というイメージを持たれる方も多いと思います。しかし実際には、状態によっては張り替えを行わず、補修で対応できるケースもあります。
- 浮きの範囲が限定的
- タイル自体の破損がない
- 早期に発見できている
こうした条件が揃っていれば、注入補修や圧着補修といった方法で、美観を保ちながら安全性を確保できる場合があります。
見えない劣化こそ“早めの判断”が重要
タイルのはらみは、
- 放置すれば進行する
- 自然に直ることはない
という特徴があります。早い段階で対応すれば、
- 工事範囲を最小限に抑えられる
- 騒音・粉塵を減らせる
- 建物全体の寿命を延ばせる
結果として、オーナー様の負担も軽くなります。
タイル外壁は「割れる前」に見る
タイル外壁は丈夫な反面、劣化が表に出にくい外装材です。
だからこそ、割れていなくても、見た目がきれいでも、「はらみ」という見えない劣化に目を向けることが重要です。栄和技建では、タイルをすべて張り替える前に、
- 本当に危険な箇所はどこか
- 補修で延命できる部分はあるか
を現場で確認し、必要以上に壊さない、現実的な補修提案を行っています。
「うちの外壁、大丈夫かな?」そう感じた時が、点検のベストタイミングです。
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。


